参考
- 購読フィード数1000以下の人間を「フツー」と呼ぶのはもうやめよう - アンカテ(Uncategorizable Blog)
- RSSリーダーがフツーの人に普及しなかった訳 - Core
- RSSリーダの普及が進まない理由をユーザだけに求めるのはもうやめよう - 萌え理論Blog
RSSリーダーに関する議論を見ていて、昔(10年くらい前)、IE4で「チャンネル」というプッシュ型のサービスが提供されたときのことを思い出しました。
従来のプル型サービスにとってかわるサービスで、通信の隙間を利用して情報を配信するんだということだったと思いますが、結局普及しませんでした。だって面白くないチャンネルばっかりだったんだもん。
情報配信の仕組みそのものというより、情報利用者の主体性という意味でPush、Pullを
- Push:情報提供者がコンテンツを送信する。配信者のほうがより主体的な状態。
- Pull:情報利用者が情報配信者にはたらきかけることで、必要な情報を得る。利用者のほうが主体的な状態。
としましょう。
IE4搭載のプッシュ型のサービスに「チャンネル」という名前をつけたのは、TVをメタファーしていたんだと思います。
TVはこてこてのPushです。情報提供者が作成したコンテンツを配信するだけです。
利用者はチャンネルを選択する自由という主体性はあります。
では、上記のPush,Pullで、情報サービスを比較してみると
新聞
- Push: 編集の締め切りまでに到達した情報に対し、ニュースにすべき情報を記者が選別、記事を作成し、見出しの大きさという重みをつけて、利用者に提供する。(1面)
- Push: あるテーマにそって記者が特集記事を作成し、利用者に提供する。テーマを選ぶのは記者、編集者。(社会、生活など)
Googleで検索
- Pull: 利用者がキーワードを入力する。
- Pull: 世界じゅうのWeb上の情報からそのキーワードがヒットしたページを表示する。検索結果は、PageRankという仕組み(たくさんのページからリンクされているページはいいページだ)を用いて重みづけされて、スコアが高い順に表示される。
人力検索はてな
- Pull: 利用者がポイントをかけて質問を入力する。
- Push: その質問者に対して役立つ回答ができると思った回答者が回答する。
RSSリーダー
では、この並びでいくとRSSリーダーはどうなるか。
- Pull: 利用者が気にいったブログやニュースサイトが配信しているRSSを登録する。
- Push: サイトが更新されるたびに、勝手にRSSが配信されてくる。
新聞・雑誌やgoogle検索にあった「重みづけ」という機能がすっかりなくなっています。
人力検索はてなは複数の回答があった場合、自力で重みをつけなくてはいけません。どの回答が求めていたものかなんてわからないのに。
このあたりが、「面白いがお金を払ってまで使いたいとは思わない」の原因のような気がします。
コンシェルジュのありがたいところは、利用者にとって最適と思われるサービスをきっちり重みづけをしてコーディネートしてくれるところにあると思います。
その土地に住みついたりして、慣れてきたら、自力でそういうことがこなせるようになるかもしれませんが、それまでは編集してもらった情報をあてにするほうが楽でしょう。
RSSリーダーはなにもコーディネートしてくれません。自分で関連性を見出してコーディネートしてやらないといけません。
配信されたRSSの取捨選択(編集権)は利用者側に委ねられているわけです。
これは私にとってはうれしいことです。
新聞社のサイトが配信しているフィード経由で記事を読み、その後で朝刊を見ると、自分のなかでの扱いの大きさと
見出しの大きさは違うわけです。だってオレが編集者だというわけですから。
でも、Web上で流れている情報に対して、主体的に重みづけをしたい人ってどれくらいいるんでしょうかね。
そんなにいないのではないでしょうか。
ユーザが「ほしいもの(what)を、ほしいとき(when)に、ほしいかたち(howだったり、whoだったり)で、適価に(how much)」提供するのがサービスだと思いますが、現在のRSSリーダーは多くの人の「ほしいかたち」ではないように感じます。
では、「ほしいかたち」ってなんだろう。
多くの人が新聞から乗りかえられるような答えが見つかるまでは、もしくは、多くの人が主体的に編集したいと思うようになるまでは、
新聞は存在価値を持ちつづけられるでしょう。
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