学歴の議論(学歴というよりは学校歴ですけど)を見ていて違和感を感じたところ。
「学歴エリート」というけど、「エリート」ってなんでしたっけ。
Yahoo!辞書 - エリート
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88&dtype=0&dname=0na&stype=1&pagenum=1&index=02345001941500
社会や集団で、指導的、支配的役割を受け持つ層。選良。
エリート 2 [(フランス) lite] - goo 辞書
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%A5%A8%A5%EA%A1%BC%A5%C8&kind=jn&mode=0&kwassist=0
ある社会や集団の中で、そのすぐれた素質・能力および社会的属性を生かして指導的地位についている少数の人。選ばれた者。選良。
elite - Definition from Longman Dictionary of Contemporary English
http://pewebdic2.cw.idm.fr/dictionary/elite_1
a group of people who have a lot of power and influence because they have money, knowledge, or special skills
elite. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
http://www.bartleby.com/61/95/E0089500.html
A group or class of persons or a member of such a group or class, enjoying superior intellectual, social, or economic status:
エリートはお金もちのはず
国語辞典の結果と英英辞典の結果を比較すると、「お金」に関する事項がないですね。
日本ではいい大学出たからと言って、superior economic statusって感じにはならないです。
現在では、大卒初任給は、どの大学出身でも同じですからね。
そして初任給の額は、いわゆる大企業でも、中小企業より3倍高いなんてことはない。
戦前は出身大学によって、初任給違いました。
とりあえず、ネットで入手できた資料。
天野郁夫著「旧制専門学校」
日本郵船の高学歴社員と処遇(大正6年)
社員数 初任給/月
東京帝大法 42人 40円
東京帝大工 23人 45円
東京高商 141人 35~40円
神戸高商 24人 35円
長崎高商 20人 30円
山口高商 18人 30円
小樽高商 13人 30円
大阪高商 4人 30円
慶応義塾 87人 30円
早稲田 70人 30円
明治 21人 25円
中央 11人 25円
青山学院 9人 25円
同志社 6人 25円
日本 5人 25円
東北学院 4人 23円
専修 3人 25円
立教 2人 25円
Call of Cthulhu 帝都モノガタリ 大正の物価
http://edo-ram.hp.infoseek.co.jp/teito/CoC_teito_price.html
大正時代日雇い労働者の賃金が1円99銭/日だから、月25日働けたとして月収約50円。
あれ、「日雇い労働者」って結構待遇よかったんですかね。
日本における「学歴エリート」というのは、辞書による定義で見ても、実態で見ても経済的な要素をあまり含んでいないようです。
では、「エリート」たる所以はどのあたりにあるのか。
残りの要素「権力、指導的地位」から考えてみましょう。
「権力編」に続く。
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