君のてのひらから: 「エリート」ってなんだっけ? (経済編)の続き
エリートの辞書的定義のうち、英英辞典にあった経済的要素は日本の「学歴エリート」には、それほどあてはまらないことを見てきました。
では、残りの要件「権力、指導的地位」という要素はどうでしょうか。
憲法で定義されている三権がヒエラルキーのトップにあります。
司法、行政、立法です。
1) 司法をつかさどるには、司法試験を突破しなくてはいけません。
2) 行政をつかさどるには、公務員試験を突破しなくてはいけません。ヒエラルキーの頂点は、国家公務員試験I種になります。試験に合格し、採用される必要があります。
3) 立法をつかさどるには、選挙を突破し、議員にならなくてはいけません。
1), 2)については、突破するためにペーパーテストと面接が課されます。
「いい大学」に入学してきた人にとっては、ペーパーテストはおてのものです。
平成19年度旧司法試験第二次試験論文式試験大学別合格者数一覧表
http://web.moj.go.jp/PRESS/071004-1/19ron-univ.html
国家公務員Ⅰ種採用データ
http://www.geocities.jp/plus10101/K1-naitei.html
3)については、あまり、学歴・学校歴関係ないような気もしますが、
国会議員の名鑑 ぷぶりすてら - 国会議員を検索してみよう! -
http://www.publistella.net/
で、調べてみるとやはり「いい大学」出身者が多いみたいです。
というわけで、三権とも「いい大学」出身者が占める割合が高いですね。
民間たる大企業でもこの「いい大学」出身であることが効く局面があります。
「人脈」です。
以前、銀行では「MOF担」と呼ばれる、大蔵省とのパイプ役をつとめる地位がありました。出世コースとして認識されていたようです。
MOF担 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/MOF%E6%8B%85
「ノーパンしゃぶしゃぶ」で過剰接待が話題となりましが、MOF担になるのは、東京大学法学部、経済学部が多かったようです。なにせ大蔵省の官僚になるのは、東京大学出身者が多いですから、知り合い、友達である人物を配置しておいた方が、大蔵省の動向をつかむためにも有利です。
日経新聞のコラム「私の履歴書」でも、学生時代、だれだれと友達だったとかよく書かれていますよね。「おれ、あいつの友達だから」と言って、ビジネス的に難しい話を通してこれるなら、実際、所属する組織にとって役に立つし、出世コースにのって指導的立場に立つこともできるでしょう。
権力保持者、指導的立場にいる人の人脈の相互作用が「学歴エリート」を生む。「学閥」の存在も同様に説明できそうです。「いい大学」に行けば、こうした人脈が築ける可能性があるのは事実だと思います。築けるかどうかは本人次第ですけど。
権力、指導的立場という面では「学歴エリート」のエリートたる所以はありそうです。
辞書的な意味の、「エリート」は以上で終わりです。
ただ、辞書的な定義に表われない「不文律」の要素としてはどうでしょうか。
次は、「精神編」です。
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