2冊に共通のキーワードは「仕組み」。
課長(管理職)の仕事というのは、仕事をする「仕組み」を作り、ルーティンワークとして、日々まわしていくことにあるというのが『はじめての課長の教科書』。
仕組みとはなんだと言われたときに、チェックリストを作成して、自分以外の人にもできるようにしていくことだと示しているのが『「仕組み」仕事術』。
仕組み化を進めていくことで、「例外」を減らしていく
最近、仕事中に自分に対して質問されたことをリストアップしてまとめています。
下記引用箇所から、質問は「ホウレンソウ」の相談にあたると気がついたからです。
『はじめての課長の教科書』 p.54
ルーティン・ワークとして教わった仕事内容から大きく逸脱するような問題や、ルーティン・ワークとは言えない新たな事業機会が見つかった場合は、俗に言う「ホウレンソウ(報告、連絡、相談)」が末端社員としての対応の基本となります。
可視化してみると、自分の中ではルーティンになっていることでも、所属チームでの業務歴の短い人にとっては「例外」であるということに気がつかされます。
たとえば、私の認識ではルーティンとなっている外部システムと接続してのテストのなかで、「テスト項目をシナリオ通り実施してみたが、結果が想定と違っているが業務的には問題なさそうである。接続相手の現行仕様もテスト通りのようだ。OKとしてよいか?」という質問がありました。
OKの基準を「a) 提示された仕様書どおりでなければならない」「b) 業務がまわればOK」のどちらに置くのか、質問者にはわからなかったのです。私にとっては、b)で自明だったのですが、それを示す文書などの根拠が、実はありませんでした。
作業結果の判断基準が曖昧なために、経験者に相談を仰がなくてはならないというのは、仕組み化がなされていないことの証拠でしょう。これではいつまでたっても、自分の「作業系タスク」を人に任せることができません。
下の言葉が心に沁みます。
『「仕組み」仕事術』 p.32
そもそも「仕組み」とは、いったいどういうことでしょうか。私はこう定義しています。仕組みとは、「誰が、いつ、何度やっても、同じ成果が出せるシステム」のことである、と。
仕組み化がなされない状態が続くとどうなるでしょう。
「例外」としてかかえることでなされる権威づけ方法もあるかと思いますが、それでは自分にとっての「例外」が発生したとき、つまりルーティンではない、チャレンジングで楽しそうな仕事が発生したときに対応することができなくなってしまいます。
私にとっては、不本意な状況です。
「作業系タスク」は、極力ルーティンとして担当者に示していくことで、自分の手を動かす機会を減らしていきたい。
チェックリストも示しかたのひとつですが、業務フローやフローチャートとして示したほうがわかりやすい場面もあるでしょう。
適材適所でいきたいところです。
自己防衛としての「例外」保持と対策
『「仕組み」仕事術』 p.24
母を亡くした悲しみに暮れる間もなく、父には大きな現実的な問題が待ちかまえていました。それは経理の業務がどのように動いていたか、まったくわからないということです。
「どういう流れでお金がまわっているか」
「どこに、何を、いつ、いくら振り込むか」
そういったことは、すべて母の頭の中にしか残っていませんでした。
いつまでも「例外」を「例外」のまま、抱えている人は危険です。その人がいなくなったら業務がまわらなくなってしまいます。私が上の立場ならそう思うでしょう。
なぜ抱えておくのか理由を考えると、引用のなかの「母」にはあたらないでしょうが、次の仕事があるのかという不安が一因としてあるかと思います。
吐き出したあげく、サヨナラ、となってしまってはうれしくもなんともない。
『はじめての課長の教科書』 p.32
部下が「自分は会社に大切にされている」という実感を持って仕事に取り組めるかどうかという点が最も重要です。
積極的に「例外」部分を判断基準を含めて、ルーチンとして吐きださせる。そして、そのことが評価される...
実は誰でもできる(ようになりうる)仕事が、高コストでこなされているだけの状態に陥いるの防ぐには、こういうサイクルを回していくのが効果的なんだと思います。
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